舎長より

舎長より

幼稚舎の教育が目指すもの

 慶應義塾幼稚舎は、2014年に創立140周年を迎えました。幼稚舎の教育理念は、校歌の『幼稚舎の歌』に歌われている、子どもたちが「福澤先生の教えを身に行う」ということ、すなわち「独立自尊」を実践できる人材を育成することです。幼稚舎では、この教えを「子どもたちそれぞれが自分を磨きながら、互いの違いを認め合い、助け合えるようになること」としてとらえ、子どもたちが「共に思いやりの心を持って、自分のできることを一生懸命する」という形で、日常的に実行できるように努めています。すなわち、子どもたちを取り巻く現在の状況と将来の変化を見通しながら、自分の持つさまざまな可能性に気づかせ、「自分のできること」を引き出し、さらなる成長を促す場と機会を提供しています。

 福澤諭吉は、「まず獣身を成して、のちに人心を養う」と常に唱えていました。そこで、その教えにしたがって、幼稚舎では昔から身体能力を鍛えることに力を入れ、入学してから卒業するまでにたくさんの体育行事や活動を用意しています。

 また、幼稚舎では6年間クラス替えがなく、さらに6年間を通じて同じ担任が、クラスの児童一人ひとりの成長を見守って細やかに対応しています。一方で、多くの教科(理科・音楽・絵画・造形・体育・英語・情報・習字)の授業を専門性の高い教員が担当し、それぞれの教科を通して様々な学びと成長を促すよう工夫をしています。

 そして、創立125周年を機に、「幼稚舎21」と銘打って幼稚舎の教育環境や教育内容について新たな検討を加えてきました。その結果として、2002年度の1年生から、クラスのサイズを小さくして4クラス制にしました。教科によっては、クラスを分けてより少人数で授業を行うようにしています。さらに、英語と情報を1年生から教えています。

 また、多様な場と機会として用意している学内外の諸行事や活動への参加を通して、互いに競い合いながらそれぞれが違う能力と個性を持つ者として認め合い、助け合い、さらに互いを高め合っていく、そうした関係を作り出していくことで、子どもたちに「独立自尊」を身につけてもらおうと考えています。そして、その過程で自分で考える力を養い、自分で良いと思ったことは進んでするという、自分に対する誇りを持ってもらいたいと願っています。

 このように、幼稚舎生が、自分のことだけではなく、思いやりの心を持って周りの友達やクラスの仲間と一緒に、さらには全幼稚舎生と共に成長していく関係を築けるように、教職員一同で努めています。

慶應義塾幼稚舎長 大島 誠一

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